ぐいぐい引き込まれてしまったよ... 「クエイ兄弟」展  [感想]



葉山の美術館(神奈川県立近代美術館<葉山館>)で
「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」を見ました。


どんな美術展をやっているかも何も知らずに、チケットを購入。


”海の見える美術館” にドライブがてらやって来たので(→前の記事)、美術展の内容にはこれといった期待はしていませんでした。


平和な近代美術が見られればそれでよかったのです。


ところが!


展示室に一歩足を踏み入れたとたん、<平和な物>を見るつもりだった気分が一転。
そんなものはどこかに飛ばされてしまいました!


-- クエイ兄弟。双子のアニメーション作家。独特で完成度の高い映像作品を生みだし、カルト的な人気と影響力を持つ --


会場には、ダークなパペットアニメーションの映像が大きく投影。


異様で、おどろおどろしい雰囲気。
音楽もホラー映画みたいでちょっと怖い(ヒッチコックの鳥みたいな?)。
セリフもないし、設定も非現実の世界すぎて、良く分からない。


でも、なぜだろう?


ぐいぐい引き込まれてしまう。
何回も見返したくなるほど、その独特の世界にあっという間に魅了されてしまうのです。

image.jpg

ひぇ!こわいでしょう?不気味でしょう?
朝、これを読んでいる人はごめんなさい。

でもね、これがコマ撮りアニメーションで動き出すと、意外にも愛らしいんです。
それも引き込まれてしまう要素のひとつなのだと思います。



それにしてもクエイ兄弟のこの世界、なんと表現すればいいの??


初めて出会った世界で私の引き出しには表現する言葉がありません!
展覧会概要よりお言葉引用いたします。

「幻想的」「不可思議」「哲学的」「病的」「魔術的」「悪夢」「叙情的

はぁ、なるほど!そう、こういう感じです!

登場するキャラクターは「病的」で「魔術的」な動きをする。
それは「悪夢」のようだけど、「幻想的」だし「叙情的」であり、
どこか「哲学的」でもある「不可思議」な世界。


この独特な世界の魅力、なかなか伝えるのが難しいです。
伝わっていますか?? 伝わるといいのだけれど...


クエイ兄弟はアートアニメーションだけでなく、映画、CM映像、舞台美術も手がけ、世界のクリエイター達を魅了し続けているそうで、本展はアジア初の巡回個展なのだそうです。


映像はYouTubeで<Quay Brothers>で検索すると色々出てきますよ。

が、この展覧会では映像以外にもクエイ兄弟のイラスト作品や、
作品のセットをボックスの中に再現したドールハウスのような「デコール」という物、
舞台美術の紹介やコマーシャル作品を見る事ができて、映像作品以外の魅力やクリエーションの源の一部を知る事ができると思います。

image.jpg
「ストリート・オブ・クロコダイル」デコール<仕立屋の店内>


ここまで独自のものを作り上げるクエイ兄弟の世界には本当に驚愕しました。
すごいなぁ。いったいどこからこんな独創的なアイディアが生まれるのだろう?


平和的な物を見るつもりが、ものすごーーく、刺激的な物を見てしまった!
なんの事前情報もなくふらっと美術館に入ってみるのもいいですね。



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「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」
神奈川県立近代美術館<葉山館>
会期:2016年7月23日(土)~2016年10月10日(月・祝日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、9月19日と10月10日は開館)
展覧会概要:こちら
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