「若冲展」の『動植綵絵』を見逃した方!見てみたい方!京都・相国寺へ! [紹介]

東京都美術館の「生誕300年記念 若冲展」(2016年4月22日~5月24日)を逃した方、お目当てはやはり「動植綵絵」(どうしょくさいえ)30幅と「釈迦三尊像」3幅の一斉鑑賞でしたよね。あるいはメディアで紹介されてご興味を持った方も沢山いると思います。

そんな、
33幅、勢ぞろいを鑑賞したかったと残念に思っている方へ!

あるいは
「動植綵絵」いったいどんな絵か見てみたいと思っている方へ!


耳より情報です!!


なんと、京都 相国寺は承天閣美術館で12月4日まで、全部、見られます!!(相国寺は ≪しょうこくじ≫ 、承天閣は ≪じょうてんかく≫ と読みます)

他にも鹿苑寺(金閣寺)大書院に描かれた障壁画50面すべて見れます!!


ただし...


「動植綵絵」30幅はコロタイプ印刷の複製品ではあります。

しかし!

「釈迦三尊像」3幅は本物です!


それでも!相国寺で見る事は特別!


なぜなら、もともとは「動植綵絵」30幅は「釈迦三尊像」3幅と一緒に相国寺に寄進されたものなのです。若冲による独創的な絵は、かつては年に一度、相国寺の大事な法要の日に方丈に飾られ、祈りの空間を荘厳していたのです。

現在は、相国寺に「釈迦三尊像」3幅が残り、「動植綵絵」30幅は宮内庁の管理する三の丸尚蔵館の所蔵となっています。

(明治になり、廃仏毀釈の影響により財政がひっ迫した相国寺は「釈迦三尊像」だけを残し、「動植綵絵」30幅を(おそらく苦肉の策で)明治天皇に献納し、その下賜金でもってお寺を立て直す事ができたという事です。)

それに、若冲は相国寺の梅荘顕常(大典禅師)と親交が深く、生涯の友でした。大典は若冲の絵師としての才をいち早く見出し支援し、鹿苑寺(金閣寺)大書院の障壁画を若冲に描かせたのも大典ですし、「動植綵絵」の寄進も大典の勧めでありました。それくらい相国寺と若冲との縁は深かったのです。若冲のお墓もありますよ。


というわけで、今回展示されている「動植綵絵」がコロタイプ印刷(※)の複製画だとしても、それでも!この「相国寺」という場所で!若冲の描いた「釈迦三尊像」3幅と一緒に並んでいるのですから!見る価値はじゅうーぶんに、あります!それに、印刷の複製画と言っても、超・高精細です。美術本や図録では分からない原寸大の迫力も体感できます!「動植綵絵」は1幅1幅が大きいので、それはそれは見応えがあります。

(※コロタイプ印刷とは、工程にすごく手間のかかる高度かつ高精細な複製技術です。顕微鏡で拡大して見ても本物と大差ない程らしいです。)


私は知らなかったのですが、2007年にここ相国寺・承天閣美術館で「釈迦三尊像」3幅と三の丸尚蔵館所蔵の「動植綵絵」30幅が120年ぶりに一挙に揃う記念すべき展覧会があったのです。この時の展覧会の様子は弐代目・青い日記帳さんの ≪こちら≫ の記事に書かれています。


それに、承天閣美術には、ここでしか見る事のできない若冲作品があるのです!


それは「鹿苑寺大書院障壁画」(ろくおんじ・だいしょいん・しょうへきが)のうち、床の間の障壁画2つ!!

「葡萄小禽図」(ぶどう・しょうきんず)
「月夜芭蕉図」(つきよ・ばしょうず)

これらは、若冲が鹿苑寺の大書院の床の間の壁に水墨画で書いた絵です。床の間の壁ですから普通はその建物に行かないと見れないですよね。それが!承天閣美術館に移築展示されているのです!部屋の一部、床の間の部分とその前面の畳が移築されガラスケースの中に展示されています。ここでしか見られません!(それとも、この床の間ごと貸し出したりする事もあるのでしょうか??もし、他でも見れたらごめんなさい!)


床の間の障壁画は常設展示です。これを見に行くだけでも承天閣美術館へ行く価値があると思うので、この展覧会を機に見に行く、というのでも良いと思います。


他にも本展覧会では「鹿苑寺大書院障壁画」の「襖絵」が全種類と、掛け軸もたくさん、見る事ができます。

トビ(東京都美術館)の「若冲展」に出品されていた以下の襖絵も見る事ができますヨ。

「葡萄小禽図襖絵」(ぶどう・しょうきんず・ふすまえ)
「松鶴図襖絵」(しょうかくず・ふすまえ)
「芭蕉叭々鳥図襖絵」(ばしょう・ははちょうず・ふすまえ)
「菊鶏図襖絵」(きくけいず・ふすまえ)

他にもトビ「若冲展」の作品リストを見ると、他にも相国寺及び鹿苑寺所蔵の作品出品は以下がありました。

「竹虎図」(ちくこず)
「鳳凰之図」(ほうおうのず)
「厖児戯箒図」(ぼうじぎ・ほうず)
「亀図」(かめず)

これらも展示されていると思います。”思います”というあやふやな事を言うのは、実は「動植綵絵」と「床の間」鑑賞に夢中で、他の作品を見る時間がなくなってしまったのです...。ぜひ、みなさまの目でご覧になってみてください。


というわけで、トビ「若冲展」見逃しには是非!


(次の記事で感想をアップ <【感想】承天閣美術館「生誕300年記念 若冲展」>)


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生誕300年記念『伊藤若冲展 』
承天閣美術館
会期:2016年7月1日(金)~ 2016年12月4日(日) 
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:会期中無休
http://www.shokoku-ji.jp/j_nyukan.html
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ちなみに、相国寺のお堂などは通常は拝観できないようです。せっかく京都へ行くのなら秋の特別拝観日に合わせて行くのがいいかもしれないですね。

●秋の特別拝観日:9月25日~12月15日
●春の特別拝観日:3月24日~6月4日
●拝観できる場所:「法堂」、「方丈」、浴室(春のみ)、開山堂(秋のみ)
注意1)2017年以降は上記の期間かどうか分かりませんので、相国寺へお問い合わせください。
注意2)お堂の拝観時間は午前10:00〜午後4:00です。美術館と異なるのでご注意くださいね。


ちなみに、ちなみに。

相国寺へお参りするのでしたら、坐禅会に参加するのもよいかも!開催日は、毎月第2・第4日曜日のよう。(8月は休会、12月第4日曜は休会。※2016年8月現在)坐禅の後は法話も聞けるようです。(相国寺は臨済宗)

若冲も大典と共に坐禅を組んだかもしれないですよね。うふふ


★承天閣美術館の若冲展と併せて見れる、京都の若冲関連の寺院の特別公開情報★
■宝蔵寺01→こちら
2016/10/28(金)~2016/11/17(月)
■宝蔵寺02→こちら
■金戒光明寺→こちら
2016/11/1(火)~2016/12/4(日)
■両足院→こちら
2016/12/9(金)~2017/1/29(日) ※拝観休止日あり
■信行寺→こちら
2016/11/11(金)~2016/11/13(日)
■壬生寺→こちら
2016/10/8(土)


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