芸艸堂の手しごと [手しごと]

 

芸艸堂の事は全然知らなかったのですが、版木と技術の伝承がすごいです!

こちらのビデオ、映像がとてもキレイ。今では日本で唯一の木版出版社の歴史が伝わってきます。


The Last Woodblock Publishing Company |Unsodo from discovery go on Vimeo.

 
芸艸堂は、明治24年(1891年)に京都で美術本の出版社として創業。
着物の図案家さんなど向けの専門のデザイン本を手掛けていたのですね。
しかも、カラー印刷よりも色がきれいな木版での本が求められたというのも当時のデザイナーの色への追及の熱が感じられます。 膨大の数の版木が保管されている蔵は圧巻です。


*****
 

日本では、特に浮世絵版画の流れをくむ職人たちによる木版技術が進歩し、明治から昭和初期にかけて、多色摺木版の美しい書物が数多く刊行されていたというのだから、なんだか誇らしく感じてしまう!
  
 
でも時代が機械印刷に移行していき、多くの木版出版社は姿を消していって、今では日本で芸艸堂だけになってしまった。そして廃業になった出版社から芸艸堂に版木を譲られてきて、芸艸堂にはそうした貴重な版木が数多く保管されているのだとか。
 
葛飾北斎の「北斎漫画」の版木もその中のひとつなのだそうです。
明治末に京都の芸艸堂に来た事で、関東大震災や戦災からまぬがれ消失する事なく残っているのだそう!
奇跡みたいなお話。 
 
unsodo02.jpg 
 
その葛飾北斎の「北斎漫画」を再版しようと、その資金をクラウドファンディングであつめたときの紹介文には感じ入ります...!(サクセスして終了してました。)擦り師さんの技術の伝承のために…。でも、すごくお金がかかるから、クラウドファンディングで資金を集める。素敵な取り組み!
→紹介文はこちら  (冒頭のビデオはその時に一緒に紹介されていたものでした。 )
 
 
芸艸堂は今でも彫り、摺りから紙漉き(!)、製本まで、手仕事による鑑賞用木版画、木版本を製作しているのですって。 
 
 
京都、寺町通りにある芸艸堂のお店。平日のみの営業。
私の ”京都に行ったら行きたい場所リスト” に追加されました! 
 
unsodo05.jpg
(出典:http://www.kyotopress.jp/unsodo/


芸艸堂
〒604-0932
京都市中京区寺町通二条南入妙満寺前町459番地
営業時間:午前9時~午後5時30分
定休日:土・日・祝・祭日
http://www.hanga.co.jp




タグ:芸艸堂
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京都の蔦屋書店でミニ展示。芸艸堂コレクションより若冲版画 [展覧会/公開情報]

細見美術館の向かいに蔦屋書店がありました♪
京都ロームシアターの一部で、スターバックス併設です。

細見美術館「若冲展」を見に行った時に通りかかったのですが、かなり、ぐっとくる外観!テラス席もあって良い雰囲気。

kyototsutaya01.jpg
(出典:http://real.tsite.jp/kyoto-okazaki/


この日は、8月の猛暑でもう、暑くて暑くて。
京都の夏...
駅から5分歩いただけで、頭がぼー。
展覧会見る前に休憩せずにはいられなくて蔦屋書店の中へ。
スターバックスで抹茶フラペチーノ(京都なので)たのんで涼みました。


蔦屋書店の店内では細見美術館「若冲展」に合わせて若冲関連の書籍がたくさん。
そして、あとから調べて知ったのですが、若冲関連の展示をやっていた!という事が分かったのでシェアいたします。


「若冲版画の世界 ―京都・芸艸堂コレクションから―」
会期:2016年07月01日(金) - 2016年09月30日(金)まで
場所:京都岡崎 蔦屋書店 1F ギャラリースペース
展示概要: こちら
アクセス地図はこちら

kyototsutaya02.jpg
(出典:http://real.tsite.jp/kyoto-okazaki/


芸艸堂?
何と読む?

「うんそうどう」と読むようです。

日本で唯一の手摺り木版本を刊行する出版社。
芸艸堂の版木から手摺りされた、多色摺りと拓本摺りによる、若冲作品を展示しているようです。


見れば良かったな。残念。


9月30日(金)までの展示のようなので、もし9月に京都で若冲めぐりされる方がいたら、プチ情報になるかしら?

ただ、若冲の意匠なのでしょうけど江戸時代当時の版画ではなく再版だと思います。でも版木は当初のオリジナルの物なのかな??知ってる方いらしたら、教えてほしいです!


ちなみに私が細見美術館で購入していたポストカード、裏を見ると芸艸堂の商品でした。(これは手摺り木版ではなくオフセット印刷。)

image.jpg
伊藤若冲「玄圃瑤華」(げんぽようか)


明日はもう少し芸艸堂のこと、書いてみます。


そして、今週の後半は秋に見れる若冲作品についてのまとめも書いて行こうと思っています。
(→関東・静岡編 9/6アップしました)






ぐいぐい引き込まれてしまったよ... 「クエイ兄弟」展  [感想]



葉山の美術館(神奈川県立近代美術館<葉山館>)で
「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」を見ました。


どんな美術展をやっているかも何も知らずに、チケットを購入。


”海の見える美術館” にドライブがてらやって来たので(→前の記事)、美術展の内容にはこれといった期待はしていませんでした。


平和な近代美術が見られればそれでよかったのです。


ところが!


展示室に一歩足を踏み入れたとたん、<平和な物>を見るつもりだった気分が一転。
そんなものはどこかに飛ばされてしまいました!


-- クエイ兄弟。双子のアニメーション作家。独特で完成度の高い映像作品を生みだし、カルト的な人気と影響力を持つ --


会場には、ダークなパペットアニメーションの映像が大きく投影。


異様で、おどろおどろしい雰囲気。
音楽もホラー映画みたいでちょっと怖い(ヒッチコックの鳥みたいな?)。
セリフもないし、設定も非現実の世界すぎて、良く分からない。


でも、なぜだろう?


ぐいぐい引き込まれてしまう。
何回も見返したくなるほど、その独特の世界にあっという間に魅了されてしまうのです。

image.jpg

ひぇ!こわいでしょう?不気味でしょう?
朝、これを読んでいる人はごめんなさい。

でもね、これがコマ撮りアニメーションで動き出すと、意外にも愛らしいんです。
それも引き込まれてしまう要素のひとつなのだと思います。



それにしてもクエイ兄弟のこの世界、なんと表現すればいいの??


初めて出会った世界で私の引き出しには表現する言葉がありません!
展覧会概要よりお言葉引用いたします。

「幻想的」「不可思議」「哲学的」「病的」「魔術的」「悪夢」「叙情的

はぁ、なるほど!そう、こういう感じです!

登場するキャラクターは「病的」で「魔術的」な動きをする。
それは「悪夢」のようだけど、「幻想的」だし「叙情的」であり、
どこか「哲学的」でもある「不可思議」な世界。


この独特な世界の魅力、なかなか伝えるのが難しいです。
伝わっていますか?? 伝わるといいのだけれど...


クエイ兄弟はアートアニメーションだけでなく、映画、CM映像、舞台美術も手がけ、世界のクリエイター達を魅了し続けているそうで、本展はアジア初の巡回個展なのだそうです。


映像はYouTubeで<Quay Brothers>で検索すると色々出てきますよ。

が、この展覧会では映像以外にもクエイ兄弟のイラスト作品や、
作品のセットをボックスの中に再現したドールハウスのような「デコール」という物、
舞台美術の紹介やコマーシャル作品を見る事ができて、映像作品以外の魅力やクリエーションの源の一部を知る事ができると思います。

image.jpg
「ストリート・オブ・クロコダイル」デコール<仕立屋の店内>


ここまで独自のものを作り上げるクエイ兄弟の世界には本当に驚愕しました。
すごいなぁ。いったいどこからこんな独創的なアイディアが生まれるのだろう?


平和的な物を見るつもりが、ものすごーーく、刺激的な物を見てしまった!
なんの事前情報もなくふらっと美術館に入ってみるのもいいですね。



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「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」
神奈川県立近代美術館<葉山館>
会期:2016年7月23日(土)~2016年10月10日(月・祝日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、9月19日と10月10日は開館)
展覧会概要:こちら
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あの芸術家の!かわいい巨大コケシにどきゅん♡ (葉山の美術館の中庭で) [お気に入り作品]

神奈川近代美術館<葉山館>の中庭に~。

細長い、2つの石の彫刻作品を発見。


image.jpg


正面に回ってびっくり!

コケシだった~!
おとこのこ、おんなのこ!

image.jpg

見て!この顔!
カワイイ♡

image.jpg



しかも!作品プレートを確認して、またまたびっくり!



image.jpg


イサム・ノグチの作品でした!
1951年!

なんでも今年(2016年)3月に閉館になった神奈川県立近代美術館<鎌倉館>から
7月に移設されてきたばかりだそう!


会いに行ってみてください♡



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神奈川県立近代美術館<葉山館>
★コケシは屋外作品なのでいつでも見れます★
開館時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日および振替休日の場合は開館)

アクセス(電車・バス):
◆JR横須賀線「逗子」駅前(3番のりば)から京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」(所要時間約18分)に乗車し、「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」で下車。

◆京浜急行「新逗子」駅前(南口2番のりば)から京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」(所要時間約18分)に乗車し、「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」で下車。

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
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曇り空。海の見える美術館で過ごす夏の週末 [美術館]

夏。
8月最後の週末。
曇り空。

こんな週末は、海の見える美術館で過ごすのが吉。

海が見えるは、葉山にある美術館、
神奈川県立近代美術館<葉山館>

展示スペースは大きすぎず、小さすぎず。
ちょうど良い広さでじっくり見ても疲れない。

美術鑑賞のあとはレストランで休憩するも良し、
図書室でゆっくりと本をめくるも良し。


image.jpg

image.jpg

庭に点在している彫刻作品を見ながら散策し、

image.jpg

雨さえ降らなければ、外のベンチでのんびり海を眺めていたい。

image.jpg

美術館から海へ抜けて行き、

image.jpg


そのまま砂浜で過ごすのも、これまた良し。
まだ残暑は厳しいけれど、終わりゆく夏を少し惜しみつつ。


(展覧会の内容の感想は、また別に)→8/30 感想アップしました!

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神奈川県立近代美術館<葉山館>
開館時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日および振替休日の場合は開館)

アクセス(電車・バス):
◆JR横須賀線「逗子」駅前(3番のりば)から京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」(所要時間約18分)に乗車し、「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」で下車。

◆京浜急行「新逗子」駅前(南口2番のりば)から京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」(所要時間約18分)に乗車し、「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」で下車。

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
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