曼荼羅も、現代アートも 「宇宙と芸術展」@森美術館 [感想]

森美術館で開催中の「宇宙と芸術展」を見てきました。
(ホームページはこちら

image.jpg


科学トピックスだけの「宇宙展」なら足を運ぶことはなかったと思いますが、曼荼羅の展示があると聞いて行ってきました!

お目当ての仏教美術以外にも現代アート作品盛りだくさん!レオナルド・ダ・ビンチ、チームラボなど古今東西さまざまな作品が「宇宙」という切り口で構成された企画展で面白かったです。こんなに幅広い内容の企画ができる南條史生さん(キュレーター、森美術館館長)は本当にすごいです!

南條さんのツイッターより展覧会ついての端的なつぶやき。
 
  古美術と現代美術
  西洋と東洋
  アートと科学
  境界を超えて見る力


***

さて感想です。(ネタバレあります)

私のお目当てだった古美術が展示された第一室目は全部良い!
曼荼羅に描かれた意味はまだまだ理解はできないのだけれど(でも、いつか解るようになる!)、曼荼羅は本当に宇宙を図にしたものだなと、精神的な宇宙。

私が見たのは京都・二尊院(龍谷ミュージアム寄託)の両界曼荼羅でした。でも本当はチベットの曼荼羅図を見てみたくて行ったのです。だけど、なんと、展示期間がズレていて見れなった…。
古美術作品は3期間くらいに分かれて展示替えがあるようです。仕方ないですね。

展示替えのスケジュールは<こちら


***

古美術、満喫!
そして現代アート。


本展覧会で一番ぞくぞくしたのは、セミコンダクタ―の「ブリリアント・ノイズ」でした!
これはすごかったなぁ。映像作品ですが、3面の壁に投影される太陽の表面の爆発、”太陽フレア”の映像。炎が生き物のようにわき起こってる...。すごい迫力...と同時にちょっと怖い。怖いというのは畏怖の念を抱くというか、太陽のエネルギーってものすごいよぉ…。人間は近寄れない、不可侵の領域...。もう太陽の事を「おてんと様」なんて呑気に呼べない…。という気持ちになりました。

↓※「宇宙と芸術展」の会場ではありません。セミコンダクターのHPより拝借しました。「宇宙と芸術展」の展示はもっとコンパクトな部屋に投影しています。これが狭い部屋で迫り来るので良いです!
semiconductor01.jpg
(出典:http://semiconductorfilms.com/art/brilliant-noise/


***

瀬戸桃子の「プラネットΣ」という映像作品、好きでした。昆虫が宇宙のどこかの星で氷河のような氷の中から溶け出して動き出す映像。アップに映し出される昆虫はグロテスク(昆虫好きな方ごめんなさい!)で生々しくて。でもスローモーションで展開される映像は精細でキレイでちょっとしたファンタジーのよう。グロテスクファンタジーと呼びたいとおもいます。

後で調べると、この「プラネットΣ」は2015年にベルリン国際映画祭でアウディ短編賞を受賞した作品だったようです。(こちらがそのニュース記事)

ひゃっ!バッタのドアップ。でも映像の色調がキレイです。
setomomoko01.jpg
(出典:http://www.setomomoko.org/main.html


***

コンラッド・ショウクロスの「タイムピース」という大きな動く作品。これも良かったです。ゆっくりと動く様子を見ていると落ち着く不思議な感じ。

ライトの部分がゆっくりとばらばらの回転軸でまわっているの。
image.jpg
(※撮影OKな作品でした)


***

チームラボの作品はインタラクティブではない作品でしたが360度映し出される映像と音楽がテンポよく展開する。360度なので、感覚がふわふわします。キレイだし、楽しめる作品。
作品ブース前に人が並んでいたから、並んでまで見るか躊躇したのですが、入れ替え制で案内していただけでした。作品は4分20秒。なので日曜日の午後でしたが、数分待ってすんなりと入れました。


***


他、貴重な作品や面白い作品がたくさんありました。隕石から作った日本刀「流星刀」とか、江戸時代のUFOの資料とか、ガリレオ・ガリレイの初版本とか!全部書くと大変なのでこの辺で。
ささる作品はひとそれぞれだと思いますが、いろんなジャンルがあるので、アート好きなら楽しめる展覧会だと思います!

あ、あと展覧会を出たところで「MAMスクリーン」という映像鑑賞プログラムもやっています。全部で7作品上映しています。私が気に入ってしまった瀬戸桃子さん、セミコンダクターの作品の上映も。時間は全部で70分なので展覧会以外にもこちらの時間もみておくと良いと思います!
作品内容は<こちら


ーーーーーーーーーーーーー
宇宙と芸術展
森美術館
会期:2016年7月30日(土)~2017年1月9日(月・祝)
http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/index.html
ーーーーーーーーーーーーー



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

ぐいぐい引き込まれてしまったよ... 「クエイ兄弟」展  [感想]



葉山の美術館(神奈川県立近代美術館<葉山館>)で
「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」を見ました。


どんな美術展をやっているかも何も知らずに、チケットを購入。


”海の見える美術館” にドライブがてらやって来たので(→前の記事)、美術展の内容にはこれといった期待はしていませんでした。


平和な近代美術が見られればそれでよかったのです。


ところが!


展示室に一歩足を踏み入れたとたん、<平和な物>を見るつもりだった気分が一転。
そんなものはどこかに飛ばされてしまいました!


-- クエイ兄弟。双子のアニメーション作家。独特で完成度の高い映像作品を生みだし、カルト的な人気と影響力を持つ --


会場には、ダークなパペットアニメーションの映像が大きく投影。


異様で、おどろおどろしい雰囲気。
音楽もホラー映画みたいでちょっと怖い(ヒッチコックの鳥みたいな?)。
セリフもないし、設定も非現実の世界すぎて、良く分からない。


でも、なぜだろう?


ぐいぐい引き込まれてしまう。
何回も見返したくなるほど、その独特の世界にあっという間に魅了されてしまうのです。

image.jpg

ひぇ!こわいでしょう?不気味でしょう?
朝、これを読んでいる人はごめんなさい。

でもね、これがコマ撮りアニメーションで動き出すと、意外にも愛らしいんです。
それも引き込まれてしまう要素のひとつなのだと思います。



それにしてもクエイ兄弟のこの世界、なんと表現すればいいの??


初めて出会った世界で私の引き出しには表現する言葉がありません!
展覧会概要よりお言葉引用いたします。

「幻想的」「不可思議」「哲学的」「病的」「魔術的」「悪夢」「叙情的

はぁ、なるほど!そう、こういう感じです!

登場するキャラクターは「病的」で「魔術的」な動きをする。
それは「悪夢」のようだけど、「幻想的」だし「叙情的」であり、
どこか「哲学的」でもある「不可思議」な世界。


この独特な世界の魅力、なかなか伝えるのが難しいです。
伝わっていますか?? 伝わるといいのだけれど...


クエイ兄弟はアートアニメーションだけでなく、映画、CM映像、舞台美術も手がけ、世界のクリエイター達を魅了し続けているそうで、本展はアジア初の巡回個展なのだそうです。


映像はYouTubeで<Quay Brothers>で検索すると色々出てきますよ。

が、この展覧会では映像以外にもクエイ兄弟のイラスト作品や、
作品のセットをボックスの中に再現したドールハウスのような「デコール」という物、
舞台美術の紹介やコマーシャル作品を見る事ができて、映像作品以外の魅力やクリエーションの源の一部を知る事ができると思います。

image.jpg
「ストリート・オブ・クロコダイル」デコール<仕立屋の店内>


ここまで独自のものを作り上げるクエイ兄弟の世界には本当に驚愕しました。
すごいなぁ。いったいどこからこんな独創的なアイディアが生まれるのだろう?


平和的な物を見るつもりが、ものすごーーく、刺激的な物を見てしまった!
なんの事前情報もなくふらっと美術館に入ってみるのもいいですね。



ーーーーーーーーーーーーーー
「クエイ兄弟ーファントム・ミュージアムー」
神奈川県立近代美術館<葉山館>
会期:2016年7月23日(土)~2016年10月10日(月・祝日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、9月19日と10月10日は開館)
展覧会概要:こちら
ーーーーーーーーーーーーーー


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

オススメ♪ 古美術鑑賞!技法がよく分かる根津美術館の展覧会 [感想]

お盆の頃の8月某日、京都で若冲を巡り
近世絵画のスイッチが激しくONになって東京に戻ったその週に根津美術館でうってつけの展覧会に遭遇!


「はじめての古美術鑑賞ー絵画の技法と表現」


とてもオススメしたい良い展覧会だったのですが、これまた会期間近でごめんなさい...!
9月4日(日)までです。


美術の展覧会では、作品の技法について触れた説明書きが一緒に紹介されていたりますが、本展覧会は絵画の技法を説明する為に!作品が展示されています。

技法についてしらなくて鑑賞しても、もちろん楽しい。

でも、技法のことを知ると、注目するポイントが沢山でてきて、絵画との対話の仕方が変わります!
すごく解りやすくて、名品鑑賞と同時にお勉強ができるので贅沢な展覧会でした!

展覧会では以下の技法が紹介されていました。

「たらしこみ」
「はつぼく(溌墨)」
「そとぐま(外隈)」
「つけたて(付立て)」
「きんうん(金雲)」
「はくびょう(白描)」
「きりかね(截金)」
「うらはく(裏箔)」
「うんげんさいしき(繧繝彩色)」


私が印象に残った作品は、「たらしこみ」技法で葉っぱが描かれている、喜多川相説(きたがわ そうせつ)筆の六曲一双の屏風「四季草花図屏風」です。

kitagawasosetsu01.jpg
喜多川相説 「四季草花図屏風」 右隻

kitagawasosetsu02.jpg
喜多川相説 「四季草花図屏風」 左隻
出典:http://blog.livedoor.jp/a_delp/archives/1060058584.html


屏風で大きな作品なので、実物は100倍素敵です。

喜多川相説は俵屋宗達の工房を継承した画家で、「たらしこみ」は俵屋宗達はじめ琳派が好んで使用した技法という事です!


ーーーーーーーーーーーーーー
「はじめての古美術鑑賞ー絵画の技法と表現ー」
根津美術館
会期:2016年7月23日(土)~2016年9月4日(日)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
http://www.nezu-muse.or.jp/
ーーーーーーーーーーーーーー


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

「アルバレス・ブラボ写真展」世田谷美術館(8/28まで!) [感想]

Manuel Álvarez Bravo
マヌエル・アルバレス・ブラボ

というメキシコの写真家の展覧会をみてきました。
私は全然知らなかった方ですが、ちらしに掲載されている写真が素敵で気になったので見に行ってきました。


「アルバレス・ブラボ写真展ーメキシコ、静かなる光と時」が正式タイトルです。
国内最大規模の回顧展を世田谷美術館で、3日後(!)の8月28日(日)までやっています。

image.jpg

image.jpg

image.jpg



全てモノクロプリントの写真です。
展示数は写真が192点とたっぷりです。


ん〜、いいもの見たなー。


アルバレス・ブラボさんの写真は静かなのだけど、映し出しているモノの存在感を強く感じる作品でした。

うるさくないし、いろいろ押し付けがましくない感じです。
(私はブラボさんの写真のような人間になりたい…)


被写体としては、人も多く撮っているし、日常の街の風景も撮っていますが、
その中でも私は、晩年の <「内なる庭」シリーズ>の植物の写真がとても、好きでした。

自宅の庭を撮っているシリーズなのだけど、木の枝が白壁に影を落としていて、本当にきれいでした。



image.jpg
マヌエル・アルバレス・ブラボ・アーカイヴ蔵(C)Colette Urbajtel / Archivo Manuel Alvarez Bravo, S.C.



あぁ、木の枝ってきれいなんだな、
光ってきれいなんだな、
影ってきれいなんだな。
こんなに身近なものが、こんなにもきれいなんだな。
世界ってうつくしいな。

と、沁み入りました。


”どの芸術にも共通する詩情は、シンプルな手立てを通して得られる、複雑な現象の表現です。そうした手だては自らに正直で、おのれの限界に忠実です。 しかしひとたび情熱が注がれ、静けさの中で口を開くと、雄弁になるのです。”

ーアルバレス・ブラボ


ん、ちょっとよく分からないけど、シンプルな表現こそ雄弁だ、という事?かな??
違う?誰か、教えて〜。



あと、アルバレス・ブラボが写真家として活躍した時代は、メキシコ革命を経て壁画運動や前衛芸術が盛り上がる時代と重なっています。フリーダ・カーロとかメキシコの壁画運動に興味のある方はより深く本展覧会を見ることができるかもしれません。

私は全然疎いので、流してしまいました。
でも、アンドレ・ブルトンと交友があり、アルバレス・ブラボが顔写真を撮っていたのは興味深かったです。


ーーーーーーーーーーーーーーーー
「アルバレス・ブラボ写真展ーメキシコ静かなる光と時」
世田谷美術館
会期:2016年7月2日(土)〜2016年8月28日(日)
時間:午前10時〜午後6時(入場は午後5時30分まで)
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/sp/
ーーーーーーーーーーーーーーーー



【感想】承天閣美術館「生誕300年記念 若冲展」 [感想]

京都、相国寺承天閣美術館で開催されている「生誕300年記念 若冲展」の見どころは前回記事<「若冲展」の『動植綵絵』を見逃した方!見てみたい方!京都・相国寺へ!>で書きました。今回は私の感想です。備忘録として書きます。もし良ければお付き合いください。

image.jpg

image.jpg

image.jpg

image.jpg


相国寺承天閣美術館には、第一展示室と第二展示室の2つの展示室があります。


第一展示室には、「釈迦三尊像」(しゃかさんぞんぞう)3幅と「動植綵絵」(どうしょくさいえ)30幅。


色彩の世界。


「動植綵絵」には、様々な動物、様々な植物が色鮮やかに描かれています。

植物は・・・
松、シュロ、
梅、もみじ、南天、
バラ、牡丹、芙蓉、
ひまわり、菊、アジサイなどなど...


そして動物は・・・
若冲と言えばのニワトリ、
架空の動物の鳳凰、
鶴、オウム、
スズメやメジロ、
オオルリなどの小鳥たち、
タコ、フグ、ハンマーヘッド(!)、
さまざまな海の魚、貝、
川の魚、
蛙やトカゲ、ヘビ、
トンボ、カマキリなどの昆虫...

すごくたくさんの種類の動物。
鳥が多いです。
(他では虎を描いたり、犬を描いたりしているけれど、「動植綵絵」にはケモノの画題はないのです。何故なのでしょうね?虎は本物を見て書けないからという事なら分かりますが、犬や猫なら身近にいただろうに?仏教的な観点があるのでしょうかね?)

ニワトリは何枚も描かれているのだけど、白いのや黒いの、茶色いの。
多種多様なニワトリが色々な構図で描かれます。

雄々しく一羽だけのもあれば、
オンドリとメンドリのセットのもあり、
ニワトリの群れているのあり。(→若冲といえば、この「群鶏図」がイメージ)

小鳥はいろいろな種類がいます。
カワイイ♡
鳥に詳しい方なら、種類を言い当てるのが楽しくなりそう。(私もそうなりたい!)


どれも緻密。そして写実的。色鮮やか。生き生きと力強い。


大きめな絵なのに、見ていて全く散漫にならない考え抜かれた構図。
埋め尽くすように描かれていても、苦しさはなく、奥行き感がある。


西洋絵画にはない立体感の表現がすごいです。


私の印象に強く残っているのは、「動植綵絵 南天雄鶏図」(どうしょくさいえ なんてん・ゆうけいず)です。

赤い南天の実がたわわに実っているその前に、猛々しい黒い雄のニワトリの図。
雄鶏のトサカは赤。
背景の南天の赤い色と同化してしまうでは、と思いきや、白い斑点がリアルにトサカの上にのせられていて、妙に際立っています。

そして、南天。
小さな実は、一粒一粒丁寧に描かれていて、その細かさに見入りました。

後で東京都美術館「若冲展」の図録を買って読むと(承天閣美術館で販売していました)、南天の赤い色は立体感を出すために、裏彩色を施している箇所、表から赤の顔料(辰砂)のみで描いている箇所、さらに別の染料で重ねている箇所と、ものすごーーく緻密な手法が取られているのだそうです。

はぁーーー。すごいですね。


image.jpg
「動植綵絵 南天雄鶏図」


それから、見てみたかった「動植綵絵 池辺群虫図」(どうしょくさいえ ちへんぐんちゅうず)。
池の周りにさまざまな小さな生き物達がいるのです。
生きとし生けるものがみな尊いと、若冲が伝えてきます。若冲は優しい人だったのでしょうね。

image.jpg
「動植綵絵 池辺郡虫図」



そして第二展示室。

第二展示室には、相国寺、鹿苑寺所蔵の作品が勢ぞろいしています。
障壁画 全50面!ふくめ、ほとんどが水墨画です。


モノクロの世界。



驚きました!

「鹿苑寺大書院障壁画」(ろくおんじ・だいしょいん・しょうへきが)のうち、床の間の障壁画が2つも移築展示されているのです!
(鹿苑寺は金閣寺です。金閣寺は相国寺の塔頭寺院(たっちゅうじいん)の一つ。相国寺のお仲間です。)

相国寺さんのホームページよりお写真拝借しました。

月夜芭蕉図.jpg
「鹿苑寺大書院障壁画 月夜芭蕉図」
(ろくおんじ・だいしょいん・しょうへきが つきよ・ばしょうず)

葡萄小禽図.jpg
「鹿苑寺大書院障壁画葡萄小禽図」
(ろくおんじ・だいしょいん・しょうへきが ぶどう・しょうきんず)小禽とは小鳥のこと。

この空間ごと!ガラスケースに入って展示されているのです!びっくりしました。

それにしても、な、なんと素敵な...!!
語彙が貧弱なのですが、ううう...こんな素敵な空間に居てみたい!

芭蕉ってよくあるモチーフなのでしょうか?
暖かい風が抜けていきそう。

テクニックの事は詳しく分かりませんが、
見ていて落ち着きます。空間との調和。
水墨の濃淡が空気と溶け合う感じです。


きれいだな。いいなぁ。


畳ごとガラスケースに入っているので、全然近くではみれないのですが、お部屋の雰囲気よく分かります。というか、こんな床の間ほしい!(我が家はフローリングの洋間しかありません。床の間...憧憬♡)こちらの鑑賞には短眼鏡か双眼鏡、あると良いかも。


こちらの展覧会、意外にも見応えたっぷりなので、
時間に余裕をもって行かれるのをおすすめします!



ーーーーーーーーーーーーーーー
生誕300年記念『伊藤若冲展 』
承天閣美術館
会期:2016年7月1日(金)~ 2016年12月4日(日) 
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:会期中無休
http://www.shokoku-ji.jp/j_nyukan.html
ーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみに、相国寺のお堂などは通常は拝観できないようです。
せっかく京都へ行くのなら秋の特別拝観日に合わせて行くのがいいかもしれないですね。

●秋の特別拝観日:9月25日~12月15日
●春の特別拝観日:3月24日~6月4日
●拝観できる場所:「法堂」、「方丈」、浴室(春のみ)、開山堂(秋のみ)
注意1)2017年以降は上記の期間かどうか分かりませんので、相国寺へお問い合わせください。
注意2)お堂の拝観時間は午前10:00〜午後4:00です。美術館と異なるのでご注意くださいね。


ちなみに、ちなみに、相国寺へお参りするのでしたら、坐禅会に参加するのもよいかも!開催日は、毎月第2・第4日曜日のよう。(8月は休会、12月第4日曜は休会。※2016年8月現在)坐禅の後は法話も聞けるようです。(相国寺は臨済宗)


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

33点は少なくなかった!「フラン シス・ベーコン展」 [感想]

ベーコン展を担当されたキュレーター保坂健二朗さんによるベーコン展のツイートを中心にまとめられたトゥゲッターを見つけました。

http://togetter.com/li/444569?page=1

ベーコン展について興味がグッと湧きますね( ^ω^ )


そして、私の展覧会感想(→コチラ)で、出品作品数が33点で少なかったな…みたいな事を書いてしまたが…。

ノー!「33点も見れる!」に訂正です。

トゥゲッター読むとベーコン作品がいかに世界中にちらばっているか、借りるのがいかに難しいか(その美術館にとって重要な作品であるという事)、33点は生涯作品のうち1/18の数に相当するとか、本当に今回こ展覧会がいかに貴重かがわかりました。


それにしても、「展覧会を作る」という仕事は……す、すばらしい!


●以下トゥゲッターより保坂健二朗さんのTwitter発言の引用です。33点の重みについて。
ーーーーーーーーーーーー

「「33点って少なくない?」という声があるようなので一応回答。ベカタログレゾネ(作品総目録)が未刊行なのではっきりとしたことは言えませんが、ベーコンが「残した」油彩画は約600点くらいと言われています。ということは33/600で、約18分の1の作品が日本に来るわけです。」

「「残っている」と括弧を付したように、ベーコンは相当作品をセレクトしてました。つまり気に入らない作品は破棄した。時には買い戻してまで(金はあった)。だから分母はかなり厳選されているわけです。しかも研究者がフルサイズと呼ぶ198×148cmの作品は、やはり見応えあります。」

「そのフルサイズのトリプティック、つまり横幅が148×3+α=5m近くになる作品が今回は4点出品予定。それと、フルサイズではない、ポートレイトサイズのトリプティックが2点。33点中トリプティックが6点という贅沢な展覧会は、これまであまりなかったものと感じています。はい。」

「フェルメールの場合、諸説あれど、残っているのが36点だとして、出品点数が実質1点ないし2点でも、つまり1/36〜1/18でも「フェルメール展」と言われて行列となるわけで、それと同じ、あるいはそれ以上の「内容」を今回のベーコン展ではつくっているという自負心はあります。」

ーーーーーーーーーーーー

●それから、私も思った「習作」が多いな。完成作品は借りるの難しいのかな?と。それに関しての謎への答えがトゥゲッター内にありました。
「ベーコン展の出品作習作だらけで微妙じゃね?」のツイートへのご回答。
ーーーーーーーーーーーー

「突然すみません。ベーコン展担当者です。「ベーコン展の出品作習作だらけで微妙じゃね?」とのこと。確かにそう思ってしまいますよね。でもベーコンの場合、常識的なレベルでは完成している場合でも「習作 Study」という言葉を入れることがかなりの頻度でありました。」

「じゃあなぜ「習作」なんてタイトルをつけたのか。それは、結局のところ、完成作がかけたらもうそれ以上描く必要はない=完成作などそうそう描けないという認識のあらわれであるととりあえずはいえます。ともあれ多くの展覧会における「習作」とは全く別物とお考えください。」

ーーーーーーーーーーーー


なっるほどー!

フランシス・ベーコン展これからの人も、もう見た人も、すごくためになる保坂健二朗さんのツイートです。


フランシス・ベーコン展
<会 期>
2013年3月8日(金)〜5月26日(日)
<会 場>
東京国立近代美術館
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
<開催時間>
午前10時 ‒ 午後5時(金曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
<休館日>
月曜日(ただし3/25、4/1、4/8、4/29、5/6は開館)、5/7
<お問い合わせ>
ハローダイヤル 03-5777-8600
http://bacon.exhn.jp/index.html

image.jpg






nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

「フランシス・ベーコン展」感想 [感想]

東京竹橋、東京国立近代美術館で「フランシス・ベーコン展」を見てきました。フランシス・ベーコンはアイルランドのダブリン出身の20世紀を代表する画家です。1909年生まれ、1992年逝去(享年82歳)。没後20年の時期にあわせた企画展です。

image.jpg

ここのところ、作品点数の多い個展を見ていたせいか、期待よりも少し少なかったなーと思いましたが、没後日本初、アジア初の回顧展。ベーコンをまとめて見れるまたとない機会でした。必見の美術展です!

ベーコンの作品数は33作品。(※3枚で1作品の≪三幅対(トリプティック)≫も多数あるので、実際の絵の数はもう少しあります。) (※※33作品が全く少なくなかった事を後日知りました。→詳しくはコチラ)

今回の展覧会は"ベーコンにとって最も重要だった「身体」に着目し、その表現方法の変遷を3章構成でたどろうとするテーマ展"です。ベーコン的身体表現をダンスで表現した土方巽とペーター・ヴェルツ/ウィリアム・フォーサイスの作品とともに紹介されていました。


しかーし!フランシス・ベーコン初心者の私としては、33作品だと十分にベーコンさんを理解できなくて…。もちろん、他のアーティストの展覧会を完全理解なんてしていないのだけど…。


もっと見てみたいー!


展覧会を見終わった後にショップで販売されていた写真集をパラパラめくって見てみると、今回は来ていない作品もたくさんあって、買って家で見たいけど、んーー。お財布と相談して買いませんでした(u_u)

作品が思ったより少ないといっても、29の所蔵先から借りてきているので、作品を集めるのは大変ね…。開催してくれて感謝、感謝です。

私の理解が追いつかなかったので、関連イベントの「連続講演会 すべて参加すればあなたもベーコン通!」をますます受けたいと思いました。(以前のブログで紹介→コチラの記事)
講演会は無料だけど、先着順なので聞けるかしら?もし参加できたら、また報告したいと思います♪


さて、何が私にはちょぴっと難しく感じたかと言うと、ベーコンさんは明らかに「ヒト」を描いているのだけど、体の形は歪められ、顔も目鼻がにじんで表情が読み取れそうで読み取れない。だから見ていてすごく困惑するのです。描かれた登場人物の周囲も、あまり具体的な物は描かれていないから、口がぐわっとあいて叫んでいたとしても、一体何に対しての悲痛の叫びをあげているのかもわからない。そもそも、悲痛かどうかもわからない。でも、わからなくていいや、と素通りもできないのです。どうやら私たち人間は「ヒト」という対象物には、どんな他の物質よりも敏感に反応してしまうもののようです。

抽象絵画のほうが、どれだけ気楽に見れることか…!抽象絵画は見る側に「感じるままにどうぞ」とあそびの部分を与えてくれているのだな、とベーコンさんの絵を見て感じました。

展示の最期に、ベーコン的身体表情を世界的な現代舞踏の振り付け師ウィリアム・フォーサイスが踊る映像のインスタレーションがあります。

うごめく物質としてのヒトの身体を発見できる展覧会でした。

image.jpg

↑出口にあるベーコンさんの写真



常設展には、フランシス・ベーコン展にあわせて、「歪められた身体」という観点でのコレクション展示もありました。さまざまなアーティストの「身体」を使った表現が見れて面白かったです。


最後まで読んで下さってありがとうございました。読んで下さったみなさまの展覧会情報や感想、コメント欄に是非残してくださいね!情報交換、お願いします♪



フランシス・ベーコン展
<会 期>
2013年3月8日(金)〜5月26日(日)
<会 場>
東京国立近代美術館
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
<開催時間>
午前10時 ‒ 午後5時(金曜日は午後8時まで)
※入館は閉館の30分前まで
<休館日>
月曜日(ただし3/25、4/1、4/8、4/29、5/6は開館)、5/7
<お問い合わせ>
ハローダイヤル 03-5777-8600

http://bacon.exhn.jp/index.html




nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。